POLA TALKER'S TABLE(ポーラ トーカーズ テーブル)
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POLA TALKER’S TABLE

開催されたPOLA TALKER’S MUSEUMの内容をご覧いただけます。

POLA TALKER’S MUSEUM REPORT

12/10(sun)

人はなぜメークをするのか

Speaker 富澤 洋子さん
吉野 ユリ子さん

“どんなメークをするか?”について頭を悩ませたことはあっても、そもそも“なぜメークをするのか?”について考えたことはあまりなかったかもしれない私たち。今回はポーラ文化研究所 研究員の富澤洋子さん、そしてライフスタイル・ジャーナリストの吉野ユリ子さんをスピーカーに迎え、メークについてあらためて皆さんで考えてみました。
早速、会場の皆さんに「今日あなたはなぜメークをしたのか。メークとはあなたにとって何か」と質問。すると「自信を持って街に出たいから」「ウルトラマンのように、仕事モードになるためのもの」「オフとオンのスイッチとして」「メークはマナー」「気分を上げるために」「普段はしない、特別な日の楽しみ」などの回答が。そこからは、それぞれ目的は違えども“公に出ていく自分になるためのツール”としてメークが使われていることが浮かび上がりました。
富澤さんによれば人間がメークをし始めたのは文化発祥の頃からと古く、その目的は①信仰、魔除け②本能的なもの(異性を惹き付ける、気分を高めるため)③表示(部族のユニフォーム)④実用(薬効目的、スキンケア)だったのだそう。「現代の私たちにとっても②の目的はあるでしょうし、お仕事やコミュニティのTPOに合わせるメークという意味では③も当てはまるかも。そこに現代では自己演出という項目も新たに加わっているかもしれませんね」(吉野さん)。
続いて、古代から近代までの絵画や写真のなかに見られるメーク美女の画像から、私たち日本人がどのようにメークと関わってきたか解説していただきました。例えば日本独自のメーク文化は遣唐使の廃止後から始まったことや、平安時代から明治時代まで既婚女性には感情を主張しないよう眉を剃りお歯黒を施す習慣があったこと、髪を結いはじめたのは江戸時代の初期からということ、江戸時代までは女性の目元は水平にスッと切れ長に見えるのが美しいとされてきたなど、貴重なお話が続々。
さらに日本のメーク文化が完成された1980年代以降のメークの流行サイクルのめまぐるしさを、1988年から2014年までに出た女性誌より検証。1988年の雑誌「CanCan」に掲載された、太眉に肩パッド入りスーツを身に着けた女性たちからは、男女雇用機会均等法の開始から間もない時代ならではの“強さ”が見られました。しかし10年後の1998年には眉は細く茶髪のショートヘアでカジュアルな服装が主流に。また渋谷のストリートではいわゆる“ガングロ”メークによる極端な自己主張が見られたりと、短期間の間に実に激しい流行の変化が繰り返されていたことがわかりました。
「今はこうした流行のほかに、既婚か未婚か、そして職業などライフスタイル、コミュニティによって好まれるメークが細かく違ってきています。今の時代、メークにおいて大切なのは自分のコミュニティのなかで評価されることなのかもしれないですね」(吉野さん)。
「とはいえ、周りばかりを気にしていては息が詰まります。逆にご自分をいかに快適にしてあげられるか、気分を上げられるか、そのためにメークをもっと活用していただければいいなと思います」(富澤さん)。
皆さんからも「コミュニケーションツールとしてメークを機能させるというお話が面白かった。明日からはそこをもっと考えてメークしてみたい」「バブル時代など知らなかった頃のメークの変遷を知ることができて興味深かった」「これからはもっと自分らしく楽しむためのメークというものにも挑戦していきたい」などたくさんのご意見が。今回のワークショップでの学びは、皆さんが当たり前のようにこなしていた毎日のメークに、きっと新たな気づきや楽しみをもたらしてくれることでしょう。

speaker

富澤洋子さん
富澤洋子さん(ポーラ文化研究所 研究員)

2004年よりポーラ文化研究所にて化粧や美容の歴史や美人観の変遷など、化粧文化についての研究を行い、展覧会、セミナーなどで発表。主な研究領域は近代の化粧文化史。
著書『よそおいの楽しみ、かざる悦び―アール・ヌーヴォー期の銀製手鏡』、共著『近・現代化粧文化史年表』『明治・大正・昭和の化粧文化』(いずれもポーラ文化研究所発行)

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吉野 ユリ子さん
吉野 ユリ子さん(ライフスタイル・ジャーナリスト、エディター)

ライフスタイル・ジャーナリスト、エディター。1972年生まれ。立教大学文学部卒業後、アシェット婦人画報社(現ハースト婦人画報社)にてファッション誌「Vingtaine」などの編集に携わったのち、2008年より現職。「25ans」「Richesse」「Marisol」「GINGER」などで連載をもつほか、広告、WEBなどで活動。またアスリートフードマイスターとして運動と食による健康なライフスタイルの提案も行う。趣味はトライアスロンでアイアンマンを3度完走。1歳の娘をもつ母でもある。
https://ameblo.jp/yurico-y

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